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DENNY SEYTON & THE SABRES "IT'S THE GEAR (14 HITS) [MERSEY BEAT]

最近、なぜか聴く機会が多いレコードです。

DENNY SEYTON & SABRESの『IT'S THE GEAR』です。
dc072709.JPG
ちなみにジャケットの写真は彼らではありません(笑)

DENNY SEYTON & SABRESはリバプール出身のマージー・ビート・グループです。
彼らは英MERCURYから数枚のシングルをリリースしましたが、3rdシングルが超マイナー・ヒットを記録した以外は、ほとんど話題になることがありませんでした。

しかし、彼らは同郷のBEATLESなどと同様、ドイツ巡業などで鍛え上げられた実力派グループでした。

そんな実力派の彼らに舞い込んだのが、当時のヒット曲をカバーする企画盤の仕事でした。

このような企画盤は制作費を極力抑えてナンボの世界です。
彼らのように実力はあってもギャラが安そうなビート・グループはうってつけ存在です。
また、この手の企画盤では様々な種類の曲を演奏しなければいけませんが、彼らは水準以上の演奏力があると評価されていたのでしょう。

勿論、この企画盤は空前のビート・ブームに便乗したものです。
収録曲はこんな感じです。
dc072710.JPG
このアルバム、良い曲とイマイチな曲の差がはっきりしています。
「HIPPY HIPPY SHAKE」や「GOOD GOLLY MISS MOLLY」なんかの出来は悪くないですし、「NOT FADE AWAY」はなかなかカッコいいです。
彼らはこの手の硬派な感じのR&BやR&Rをやりたかったのでしょう。

それとは対照的にBEATLESのカバー曲などは、ややイマイチです。
彼らの本領が発揮された感じの「NOT FADE AWAY」なんかと比べると、それらは明らかにロー・テンションな演奏です。
「CAN'T BUY ME LOVE」なんかは、元気があるのは最初のうちだけです(笑)
これらの曲は仕事だから渋々演奏したのかもしれませんね。
いくら気乗りしない曲だとしても、もう少し楽しそうにやった方がいいと思います(苦笑)

また、DC5のカバー2曲は気の毒なくらいスカスカなサウンドです。
本家のサウンドとは、これが同じ曲なのか!?というくらいの大きな違いがあります。
これはこの手の企画盤にありがちな安っぽいプロダクションのせいで、彼らの責任ではないのですが・・・
それにしても変なところでDC5サウンドの凄さを実感できました(笑)

本作での彼らはいろいろなタイプの楽曲をそつなく演奏していますが、やや柔軟さに欠ける感じがします。
やはり、良い曲とそうでない曲の差が大きすぎるのが気になりますね。
彼らにはどんな曲であっても水準以上に聴かせる力量が不足しているように感じます。
この辺がそれなりに実力があってもメジャーになりきれなかった要因なのかもしれません。

この盤のレーベルです。
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WINGはPHILIPS傘下の廉価レーベルです。
このレーベルはこの他にも様々な企画盤をリリースしています。

この当時の英国でアルバムをリリースするのは大変なことでした。
アルバムをリリースできるのは複数のヒット曲がある人か、レコード会社やプロダクションから大きな期待をかけられていたごく一部の人達だけでした。
空前のビート・ブームの中でデビューした人達の9割以上は、数枚のシングルを出しただけで消えていきました。
そのような厳しい状況に中で、いくらカバー企画のアルバムとはいえ、ろくにヒット曲のない彼らが自分たち名義のアルバムを出せたのは大変な幸運だったと思います。
ジャケットに彼らが写っていないのはちょっと残念ですけどね(笑)

ただ、現在ではこのような企画盤が話題になることはほとんどありません。
ごく稀にDENNY SEYTON & THE SABRESについて取り上げている方もおられますが、それらはシングルについてのことだけで、このアルバムについては抜け落ちていることが多いです。
でも、それではちょっと片手落ちだと思います。
このアルバムでは彼らのいろいろな面を垣間見ることができます。
彼らがこの企画盤に対してどのような心意気で臨んだのかは分かりませんけど、これも彼らの歴史の一部であるのは間違いありません。
彼らの本当の姿はシングル盤だけでは見えてこないのではないでしょうか。

ちなみに、彼らのシングルは今でもマージー・ビートのオムニバスCDなどで聴くことが出来ますが、このアルバムはCD化されておりません。
というか、今後もこの手のアルバムがCD化される可能性は皆無に近いでしょう。
このような企画盤に音楽的な価値があるかといえば、多分ないと思います(笑)
でも、このアルバムは当時の音楽シーンの状況を刻んだ貴重なドキュメント盤です。
ブリティッシュ・ビートに興味がある方や、B級ビート・グループが好きな方なら聴いてみる価値があるかもしれません。
ただ、大枚を出してまで買うアルバムではないと思います(笑)
このアルバム、意外と市場では見かけないんですよね。


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コメント 8

poposuke

H Kosugeさん おはようございます

nice!ありがとうございました♪
by poposuke (2010-08-04 06:55) 

poposuke

xml_xslさん おはようございます

nice!ありがとうございました♪
by poposuke (2010-08-04 06:55) 

poposuke

nobodyさん おはようございます

nice!ありがとうございました♪
by poposuke (2010-08-04 06:56) 

poposuke

may_rさん おはようございます

nice!ありがとうございました♪
by poposuke (2010-08-04 06:56) 

Studio-Oz

こんばんは。

>CAN'T BUY・・・ 」なんかは、元気があるのは・・・
そうなんですか!
どうしてもビートルズのイメージが浮かんできて
上手く想像できないですね。(笑)

気持ちが演奏に表れるんでしょうね・・・(笑)
by Studio-Oz (2010-08-04 21:59) 

poposuke

Studio-Ozさん こんばんは

nice!&コメントありがとうございます♪

多分、本人達は仕事だと割り切ってレコーディングに臨んだと思いますが、いくら企画盤とはいえ、あんまりやりたくない曲もあったのでしょうね。
彼らは根が正直なのか、それが曲にも表れています(笑)

このような企画アルバムに音楽的な価値はゼロに近いかもしれませんけど(苦笑)、実際に聴いてみると結構面白い部分も多いと思います♪
by poposuke (2010-08-06 01:07) 

DEBDYLAN

こういう企画盤。
時代の空気を感じたいって思ったら聴いてみて楽しいかも。
音楽というよりドキュメンタリーみたいな捉え方してたりして^^;
憧れの時代へタイムスリップみたいなw

by DEBDYLAN (2010-08-06 22:05) 

poposuke

DEBDYLANさん 

こちらにもnice!&コメントありがとうございました♪

このような企画盤でもブリティッシュ・ビートの一部であることは間違いありません。
仰るように時代の空気が感じられるアルバムですし、当時のヒット曲を同世代の人達がどのように解釈していたかを知る目安にもなります。
でも、この手のアルバムがCD化されることは絶対にないんでしょうね(苦笑)
by poposuke (2010-08-07 04:05) 

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